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ととろの海辺で

ととろの海辺で

徳永多衣子

出版社:
ブックコム
判型:
B5判
ページ数:
52ページ
発行日:
2012/05/05 

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はじめに
三月の夕べ、ある集会に参加して、一冊の本を手にしました。

「までいの力 日本で最も美しい村 飯舘村」という本です。

ここには、二〇一一年三月十一日以前の美しい村の姿がありました。

青い山々に囲まれ、清流がいたるところに流れ、
自然の恵みの中に溶け込んで生活している人々の姿が、細やかに紹介されていました。

しかし、福島原発事故が起きた日を境に、村に住むことができなくなったのです。

本当に悲しみでいっぱいでした。

東日本大震災が起きて、
東北の美しい自然や食物の恵みがいまだに制限されています。

私はそれより少し前から、
自分が育ったふるさとのことを書こうと絵本を描き始めたところでした。

私のふるさと宮崎県は、太陽と緑の国というキャッチフレーズで、
昔は新婚旅行のメッカでした。

それも今では過去のものとなり、
最近では東国原さんが知事となって全国に知られるようになりました。

東国原さんが知事在任中は、いろいろなできごとがありました。

その間、県民が期待していた高速道路も新幹線も、とうとうできませんでした。

しかし、宮崎は気候が温暖で、
のどかな県民気質そのまま、ゆったりと時が流れています。

そんな宮崎県にも過去、原発誘致の動きが起きましたが、
青年達をはじめとする多くの県民による反対運動が起き、
ついに原発建設を阻止することができました。ふるさとの自然が守られたのです。

神様がくださった豊かな自然の中で、
欲張らずに助け合って暮らしていくことができますよう心から願い、
飯舘村の皆様をはじめ震災にあわれた方々が一刻も早く立ち直って、
普通の生活の日々を取り戻せますよう、お祈りいたします。